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顎矯正手術(両顎手術)における3D技術の活用と術後検証の重要性:CT画像とSTL画像の比較分析

  • 執筆者の写真: Dr. Park
    Dr. Park
  • 2024年10月26日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年11月1日

顎矯正手術、すなわち両顎手術は、顔の骨の位置と形状を矯正し、審美的・機能的な改善を目的とする高度な手術です。手術の成功には、正確な手術計画と実行、そして長期的な安定性の確保が不可欠です。特に計画通りに正確に手術を実行することは、患者の満足度を高め、副作用発生の可能性を減らす上で重要な役割を果たします。

従来は2次元的なレントゲン写真に依存して手術計画を立てていたため、手術中に予測不可能な変数が発生する可能性が高く、手術結果の正確性が低下せざるを得ませんでした。しかし、医療技術の発展とともに3D技術を 접목した3D両顎手術が登場し、手術の正確性と安全性を飛躍的に向上させることができるようになりました。


3D両顎手術とは?

3D両顎手術は、3次元CT撮影を通じて患者の顔の骨を立体的に分析し、コンピュータプログラムを用いて仮想手術計画を立てます。そして、患者にぴったり合った手術器具、ガイド、金属板などを3DプリンティングまたはCAM技術で製作し、手術に使用します。3D両顎手術は、手術誤差を最小限に抑え、予測可能性を高め、手術計画通りに正確に手術を進めることができるというメリットがあります。また、神経損傷などのリスクを減らし、個々人に合わせた手術を提供することで、患者の満足度を高めることができます。


3D両顎手術、術前術後CT比較だけで十分でしょうか?

3D両顎手術を行ったとしても、手術が計画通りに行われたかどうかを検証するプロセスが必要です。CTを用いて患者の顔の骨を立体的に分析し診断することはできますが、仮想手術計画はCT画像ではなくSTL(STereoLithography/Standard Tessellation Language)画像に変換して作業するため、手術が計画通りに行われたかを確認するには、STL画像に変換して行う必要があります。



3D両顎手術における術前術後CT比較とSTL比較の違いは?

CT画像を用いると、術前後における顎の骨の位置変化、切骨線の位置、インプラントの位置などを確認することができます。しかし、両顎手術計画では、上顎、下顎をどれだけ移動させるか具体的な数値がありますが、CTではこの数値通りに手術が行われたかどうかを検証するには限界があります。

このような限界を補うために、STL比較が必要となります。STLファイルは3Dモデルの表面を三角形のメッシュで表現するため、実際の骨の形状と完全に一致するわけではありませんが、CT画像では確認しにくい数値的な変化を定量的に比較することができます。つまり、CTとSTL画像を併用することで、手術の正確性を多角的に評価し、改善することができます。


実際の患者事例で見る3D両顎手術の正確性

実際の患者事例を通じて、3D両顎手術の正確性を確認してみましょう。

両顎手術計画

  • 上顎中切歯:右側へ0.7mm、上方へ6.5mm、前方へ0.5mm移動

  • #16:上方へ4.01mm移動、#26:上方へ4.08mm移動

  • Aポイント:後方へ1.92mm移動

  • 両顎逆回転を通じて下顎(pogonion)を前方へ4.5mm移動

輪郭手術計画:顎先前方移動術、エラ削り、頬骨縮小術


CT画像比較

3D両顎手術
3D両顎手術

 

3D 양악수술
3D 양악수술


3D Orthognathic Surgery
3D Orthognathic Surgery

術前術後CT画像を通じて、骨格的な中心線に合わせて手術が行われたことを確認することができました。

STL画像比較

3D両顎手術
3D両顎手術

術前術後STL画像を比較し、各地点の3次元的な位置変化を定量的に分析しました。 動画で見ると変化の確認がより容易になります。



手術誤差分析: 

STL画像分析の結果、すべての測定値の絶対値平均誤差は0.27mmでした。


3D 양악수술
3D 양악수술

歯の部分だけを分析した場合は、絶対値平均誤差は0.22mmでした。

average absolute error of 0.22mm.
average absolute error of 0.22mm.


結論

3D両顎手術は、CTとSTL画像分析を通じて手術の正確性を客観的に評価し、改善することができる先端手術技法です。3D技術は、手術計画段階から結果分析まで全過程にわたって有効に活用されており、今後も医療従事者のたゆまぬ努力と技術発展により、より精密で安全な手術が可能になることが期待されます。より専門的な内容にご興味のある方は、下記の投稿をご参照ください。


顎矯正手術(両顎手術)における3D技術の活用と術後検証の重要性



 
 
 

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